本当に読みたくなる求人広告のキャッチコピーとは? 現役ライターが秘密を教えます!
求人票や求人広告を書く時、キャッチコピーに悩んでしまうという方も多いのではないでしょうか。セールスライティングなどの経験がなければ、読者にとって魅力的な文章を書くことが難しい場合もあるはず。
そこで、現役ライターの目線から、求職者の目を引くキャッチコピーの作成方法や求人票のつくり方、PV数を向上させるコツをご紹介します。
ぜひたくさんの応募を獲得できるようチャレンジしてみてください。
ペルソナ設計の重要性

まず求人広告や求人票を作成するときに一番重要なのは、「誰に対して伝える文章か」を決めること。その「誰=求める人物像」を決めることをペルソナ設計と言います。ペルソナ設計は職業・年収・居住地・年齢などの情報にプラスして、性格やライフスタイルなどの詳細な情報を追加した個人を仮に設定し、その人に向けて文章を書くために行います。
ペルソナ設計をする理由は2つあります。1つは、たった1人に向けて訴求力のある文章を書くため。もう1つは「誰という対象を決めることで、何を伝えるべきか」も決められるからです。
1つ目の「たった1人に向けて訴求力のある文章を書く」のは、不特定多数に対するメッセージよりも、たった1人のためだけに思いが込められたメッセージの方が多くの人に響くからです。他の人に対する手紙でも感動できるのは、それと同じ理由。たった1人に宛てて書く文章を作ることで、より多くの人の心に響くメッセージが完成します。
2つ目の「誰という対象を決めることで、何を伝えるべきか」も決められるというのは、職業・年収・居住地・年齢・性格・ライフスタイルなどが特定された個人であれば、どんな仕事や言葉を好むか、どんなメディアを普段見ているかなどがわかります。そのため、どのような切り口で自社のアピールをすべきかを判断しやすくなるのです。
自社にたくさん魅力があったとしても、求める人物像が好む情報が提供できなければ応募してもらえません。採用したい人材から応募を獲得するためにも、ペルソナ設計は欠かせない要素です。
働く人にとっての魅力を分析

次に、働く人=ペルソナにとって、自社にはどんな魅力があるのかを調べることが大切です。
上記でもお伝えしたように、せっかくペルソナが決まっていても、ターゲットとなるその人が興味を持たない魅力を訴求したところで「応募したい」とは感じてもらえないため、意味がありません。
ターゲットとなる人材の性格や、仕事で重視するポイントをその人になったつもりで考え、伝えるべき魅力を絞りこむことが重要です。その人になりきって考えるために、2つおすすめの方法をご紹介します。
ペルソナに近い人材にヒアリング
一番オススメなのは、自社のペルソナに近い人材に自社の魅力を聞いてみることです。
人事が考える自社の魅力と、ペルソナに近い人材が魅力に感じることは一致しないケースも多いため、思い込みで判断せずに調査することをおすすめします。
特に、仕事において重視するポイント、モチベーションが上がること、将来どんなことを実現したいのかなど、応募タイミングだけでなく、入社した後に活躍してもらうためにも詳しくヒアリングしておくことが重要です。
ペルソナの興味や志向を把握
次に、ペルソナが普段どんなメディアやSNSに触れ、何に興味を持っているかを探りにいきましょう。表現の好き嫌いや人間関係の好み、どういった言葉で入社が動機づけられるのかなど、応募だけでなく面接で徐々に入社動機を醸成していく時にも重要なことです。
求人広告のテイストやどの媒体に掲出するかも左右してくるポイントですので、ペルソナの興味・志向は改めてきちんと把握しておきましょう。
欲しい情報をキャッチコピーに盛り込む

ペルソナ設計ができたら、次にそのペルソナが欲しい情報をキャッチコピーに盛り込んでいきます。ペルソナ通りの求職者を採用するためには、ペルソナが応募する段階で見ている情報・応募の決め手となる情報を盛り込み、ペルソナ自身が「自分がターゲットだ」と感じられるようにしましょう。
具体的には下記の方法で入れ込む情報を決めていきます。
求職者が求人票や求人広告で見ている情報を知る
ではまず、求職者が求人票や求人広告で見ている情報を知っていきましょう。
これからご紹介する下記3つのポイントが、応募するかどうかを決めるときに求職者が見ている情報です。
自分がターゲットに当てはまるか
まず求職者が見るポイントとしては、求められる条件や既存社員の特徴から、「自分が採用のターゲットに当てはまっているかどうか」を確認します。経験や社風、仕事で求められるクオリティなどで、求職者は自分が採用対象になるかどうかを判断することが多いです。
仕事内容や労働条件が具体的に記述してあるか
次に求職者が見るポイントとして、仕事内容や労働条件があります。これらの書き方が明確で筋が通っているかどうかを見ることで、ブラック企業でないか働きやすい会社かを確認しています。
どんな働き方なのかを文章だけでなく動画やタイムスケジュール+写真などで見せ、具体的に働いているシーンをイメージできるように記述しましょう。
必須条件と歓迎条件の明確さ
最後のポイントは必須とされる条件と歓迎条件です。この2つが明確に分かれていれば、求職者は企業が求めているレベルを推測でき、応募前に自分の適性を判断できます。
必須条件の一部をキャッチコピーに入れ、歓迎条件は別途記載するなどの工夫でターゲットとなる人の目を引きつけることが可能です。
ポイントを踏まえた、読みたくなるキャッチコピーの作成例
ここまでのポイントをふまえ、3つの事例を挙げました。
例1:経験がなくてもこれから育ってくれる若手エンジニアで今の環境に不満があり、新しい働き方を求めて転職活動している人を対象にするなら
労働環境のいい企業があれば転職したいという転職予備軍や、若手で未経験のエンジニアに訴求できます。
例2:20代半ばの女性で仕事にミスマッチを感じていて営業職に疲れている、もっと社会的に価値ある仕事をしたい人を対象にするなら
平均年齢を提示することで、希望している年齢層を伝えることもできます。
また営業経験があれば数字を意識した行動ができるでしょうし、社会的に意義のある仕事でやりがいを持ちたいという層にもアプローチできます。
例3:正社員経験がなく、そろそろ落ち着いて仕事をしたいと考えている20代女性。でも安定して働けて育休も取れそうなところがいいと考えている人を対象にするなら
落ち着いて働きたいけれど、結婚・育児などを視野に入れるなら休日や福利厚生がしっかり確保できる環境で働きたいと考える層を取り込めます。

…上記3点の事例を参考に、「どんな人を採用したいのか」というペルソナ設計をし、そのペルソナが求める自社の魅力を盛り込むことで、ペルソナに近い求職者の目に留まる求人広告がつくれるはずです。
求職者が見ているポイントを3つご紹介しましたが、設定したペルソナの志向に合わせて優先順位をつけてからキャッチコピーに盛り込んでみてください。もちろん、必ずしもキャッチーな文章でなければならないというわけではありません。伝えたいことが入っていれば、ペルソナに近い応募者を募ることができるでしょう。
まとめ
求める人材が応募したくなる求人広告・求人票キャッチコピーのつくり方をご紹介しました。
なんとなくのターゲットを決めるのではなく、ペルソナ設計で詳細に人物像を思い描き、それに基づいて見ている情報を調査すること。そして優先順位をつけてからキャッチコピーに盛り込んでいくなど、コツを意識して作成してみてください。
キャッチコピーを作ったことがない人でも、このコツを参考に手順を追ってつくっていけばキャッチーでなくても求める人材の目に留まる求人票・求人広告ができるはずです。
ぜひ試してみてください。